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「はせ住の視点 ― 日経新聞から読む不動産の今」

📰 はじめに ― 「はせ住の視点」について

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この連載「はせ住の視点 ― 日経新聞から読む不動産の今」は、毎週、日経新聞などの主要経済紙に掲載された不動産関連ニュースをもとに、現場で感じる実情や地域の肌感を交えてお伝えする週刊コラムです。

ニュースをそのまま紹介するのではなく、・いま市場で何が起きているのか・数字や報道の裏にある構造的な動き・文京区・千石エリアを中心とした地域の実際の変化を、できるだけ平易な言葉で整理していきます。

不動産の世界は、住宅価格や金利、税制など、日々の暮らしと密接につながっています。このブログでは、そうした「大きな流れ」を専門用語に頼らずにわかりやすく読み解き、皆さまの判断や検討の一助となる情報を発信してまいります。


こんな方におすすめです

  • 不動産市場のニュースを、現場目線で整理して知りたい方

  • 「今、買うべきか」「売るべきか」を冷静に判断したい方

  • 文京区・千石周辺での暮らしや資産形成に関心のある方

※掲載内容は報道情報をもとに筆者(長谷川)がまとめたものであり、特定の物件や取引を推奨するものではありません。

先週の動き(2025年10月28日〜11月1日)

今週の不動産市場では、「価格上昇」と「供給不足」の構造があらためて浮き彫りとなりました。首都圏の新築マンション価格は高止まりし、賃貸市場では家賃上昇が続き、一方で中古マンションや空き家、情報セキュリティなど、管理・維持の局面にも注目が集まりました。

不動産は「買う」「借りる」「持つ」どの立場でも、“情報の鮮度と判断の速さ”が重要になってきています。以下、主要トピックごとに整理します。


① マンション価格の高止まりと「土地不足」

概要

首都圏の新築マンション平均価格は、直近3か月連続で1億円前後に達し、依然として上昇基調が続いています。背景には、建築費の高騰に加えて、開発用地の確保が困難になっている現状があります。不動産経済研究所の発表によれば、東京都23区の新築マンション発売戸数は10年前から55%減。都心部では企業跡地や公有地の放出が減り、開発余地が小さくなっているのです。

加えて、共働きで世帯年収が高い“パワーカップル層”が都心部の購入を支えています。

二人で年収1,400万円以上の世帯は全国で増加傾向にあり、彼らの「利便性と資産性を重視した選好」が価格を下支えしている構図です。

所感

千石周辺でも、「供給が少なく価格が下がらない」感覚が顕著です。

新築の供給が滞る一方で、管理が良い築浅中古の成約スピードは年々速まっています。

「条件の良い中古を先に押さえる」動きが広がっており、新築を“待つ”より“選ぶ”時代へと変化していると感じます。


② 家賃も過去最高を更新 ― 借り手が強気相場に挑む

概要

東京23区のマンション家賃は、9月時点で3か月連続の過去最高を更新しました。単身者向け(30㎡以下)は平均10万4,000円、ファミリー向けでは25万円台。在宅勤務定着後の“駅近・築浅志向”が根強く、築年数が古くても立地や採光の良い物件は即日決まることもあります。

一方、供給側では賃料改定の動きが進んでおり、オーナーが積極的に条件見直しを行う流れが広がっています。賃貸管理の現場では、2,000円~5,000円の小幅な値上げを検討するケースが増え、「周辺相場を見ながら段階的に上げる」賃料戦略が定着しつつあります。

所感

実際の接客でも、入居希望者が「少し高いけど立地を優先する」判断をされるケースが増えました。反面、オーナー様からは「高く出しすぎて空室期間が伸びないか」という懸念もあります。


③ 築10年前後の中古マンションが“資産価値の主役”に

概要

東京カンテイの分析によれば、築10年前後の中古マンションは新築時より平均48.8%値上がり。都心3区では2〜3倍の価格上昇例も確認されています。建築コストや用地制約により、新築供給が減少する中、築浅中古の価値が相対的に上昇しているのです。

管理状態の良いマンションやブランド物件では、「築10年=資産として成熟したタイミング」と評価される傾向もあります。リノベーションによる再販市場が整備され、「新築に近い品質で割安」な選択肢として中古市場が主役に浮上しています。

所感

文京区・千石エリアでは、駅徒歩10分以内・管理良好な築10〜15年の物件が特に人気です。購入検討者の多くが「資産性重視」へシフトしており、「10年経っても値が落ちにくい」という安心感が意思決定を後押ししています。


④ 賃貸の空室は詐欺に使われやすい!?

概要

賃貸物件の空室情報や鍵データが、特殊詐欺グループの受け渡し拠点に悪用された事件が報じられました。検索サイトの登録情報が第三者に閲覧され、犯罪の下準備に使われたケースもあります。業界では「空室データの管理・共有の在り方」を見直す動きが始まりました。

所感

物件情報のオンライン化は便利な一方で、セキュリティ意識が追いついていないのが現場の実情です。特に内見時の鍵管理やキーボックスの設置方法など、運用ルールの再点検が求められます。利便性と安全性を両立するには、「誰が・いつ・どのように使ったか」を可視化する体制が不可欠です。IT管理が進む今だからこそ、“人の確認”というアナログな安全網を見直すことも大切だと感じます。

なお、弊社では管理物件のご案内時には原則としてスタッフが必ず立ち会う体制をとっております。

そのため本件のような事例は縁遠いものではありますが、業界全体の傾向として、

「利便性の裏に潜むリスク」を常に意識し、慎重に対応すべきテーマとして頭の片隅に置いておきたいところです。


⑤ 相続空き家 ― 放置はリスクとコストの増加に

概要

相続で引き継いだ家をそのままにしておくと、固定資産税や火災保険、維持修繕費が毎年発生します。特に築年数が古い木造住宅では、シロアリや雨漏りなどのリスクも増加。放置期間が長くなるほど、最終的に「売るにも直せない」状態になりやすいと指摘されています。

国の空き家対策特別措置法では、「管理が行き届かない特定空き家」に指定されると、固定資産税の優遇が解除される場合があります。早期の相続対策と、家族間での利用・売却の方向性共有が不可欠です。

所感

「とりあえず置いておこう」が、後から大きな負担に変わる例を何度も見ています。相続後ではなく、相続前から“方針を言葉にしておく”ことが最も重要です。将来的なトラブルやコストを避けるためにも、専門家に相談して“3年・5年先を見据えた所有計画”を立てておくことをおすすめします。



まとめ

今週の不動産市場は、「上昇する価格」と「増える管理リスク」という両極の動きが印象的でした。新築・中古・賃貸・相続、いずれの立場でも、「動かない」よりも「情報を整理して小さく動く」ことが求められています。


資産を守るには、正確な情報と冷静な判断、そして地域の現場感が欠かせません。今後も、数字の裏にある“生活の実感”を交えながらお伝えしていきます。



🏠ご相談ください

価格が上がっている今、「売るべきか・まだ待つべきか」を迷う方も多い時期です。

また、空き家・相続・賃貸経営など、不動産の“次の一手”を考える際には、地元の市場を知り尽くした視点が不可欠です。

文京区・千石エリアのご相談は、創業42年の地元密着・はせがわ住販までお気軽にどうぞ。

— 執筆:有限会社はせがわ住販/業務課 長谷川

Sources

  • 日経新聞(2025年10月28日)ほか主要経済紙(10/29〜11/1)

  • 不動産経済研究所・東京カンテイ・アットホーム・国土交通省統計局資料 等


 
 
 

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